部下に伝えたいことを正確に伝達する「導管メタファー」とは

対話
町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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組織の中での「対話」は、組織のあり方を左右する重要なものです。
今回は、コミュニケーション全体を見ていく中での「対話」の位置づけを見ていきましょう。

「コミュニケーション」は正しく早く伝えるもの、そしてこちらが持っている答えを一方通行で伝える情報伝達手段・・・。
このようなコミュニケーション観を、導管メタファーと呼びます。「導管メタファー」の代表的なものは「学校での授業」です。

回答の「出し手」と「受け手」・・・日本ではこのスタイルで長期間(12,000時間)教育を受けてきます。会社に入ってからも、新入社員時はやはりこのスタイルが踏襲されます。入社初期の「業務を覚える」というフェーズにある時は、この方法が効果を発揮します。

 

この時のコミュニケーションスタイルは、「指示・命令・伝達・確認」です。この領域は「情報の移動・流通の効率化」が図られており、メールや訓示のビデオ配信等が代表手段です。

 

最近ではこの上にストーリーテラーやビジョンテラーという、「語る」ことの大切さも強調されています。特に企業戦略や企業理念、価値観を伝えることに適していると言われており、確かにその一面もあります。

 

社長が社員を前に、創業時の苦労話を交え熱弁をふるう・・・これは単に言葉(例 安心・安全の提供)を伝えるよりも説得力があります。

人間の認知には以下の2つのモードがあると言われています。

?「論理・実証モード」
?「ストーリーモード」

 

ロジカルシンキングは?の認知に訴え、物語は?の認知に訴えるという点で違いがあります。

 

しかし、この「語る」というコミュニケーション手段も、モノローグ(独白)と言われる「導管メタファー」の一種です。

 

「導管メタファー」というコミュニケーション手段では「伝わらないもの」については、他の伝える手段で補う必要があります。

 

導管メタファーでは、情報を聞き手に正確に伝達し、聞き手にその情報を復唱してもらうことで「伝わった」ことを確認します。

 

もしその伝えたいことが価値観や信念のようなものだったらどうでしょうか?
聞き手がその価値観や信念が復唱できたからといって、本当に「伝わった」と言えるのでしょうか?

 

すなわち単なるオウム返しではなく、聞き手の共感が得られていたり、行動や考え方に反映されていたときに初めて、価値観や信念が本当に「伝わった」と言えるのではないでしょうか?

あるいは部下に仕事内容を正確に説明しただけで、働く目的や仕事の意味といったものは伝わるでしょうか?

 

言うまでもなく、

理解や納得を得られなければその仕事は「やらされている」仕事です。
そして「やらされ感」がある限り、当事者意識や自発的な行動を期待することは難しいでしょう。

 

こういったことが組織に対する不信感、モチベーションの低下につながることを考えると、「伝わらない何か」を放置しておくのは好ましくありません。

 

このことからコミュニケーションを「情報の移動」から「人間の行動や思考の変化」に焦点を移す必要があると言えます。

 

参考文献 ダイアローグ 対話する組織(P32?52抜粋)

町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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