こころの不調には、からだを経由して働きかけると効果的
ステップⅠで「不機嫌の芽」に気づくことの重要性、そして早期に対処できるようになる方法をお伝えしました。

今回は、「不機嫌の芽が出やすい状態」(不機嫌症はしつこいです)の根本的な問題解決の方法をお伝えします。
取り巻く環境を変えるのは驚くほど時間がかかるものです。また、その手応えをつかむのも容易ではありません。
ステップⅡは「体の調子を整える」
「不機嫌」はメンタルだけに関係する話に思うかもしれません。
確かに「不機嫌」は気分のあり方ではありますが、「不機嫌」を直そうというときに心だけに働きかけることは決して効果的ではありません。
心が落ち込みきっている時に「しっかりしろ」と声をかけても、残念ながらほとんどが聞こえず伝わらないのです。
メンタルケアの王道は「からだ」を経由して心に働きかける手法です。
自分の知人の弁護士に、「筋肉弁護士」と呼ばれるほど自分の体や筋肉を鍛えるのが大好きな方がいます。
彼に「どうしてそんなにストイックに体を鍛えるの?」と聞いたところ、「もともとは何も運動をしていなかったので、いつも体調不良と精神不良(不機嫌)だった」と言っていました。特に厳しい訴訟事案を抱えている時はそれが顕著だったらしいのです。
それが体調を整えるために体を少し動かすようにしたところ、その運動が精神不良(不機嫌)の改善に驚くほど役に立ったらしいのです。
その経験から病み付きとなり、筋肉を鍛える楽しさに目覚め、今や筋肉弁護士と呼ばれるまでになったというのです。(実話です)
不機嫌への対処として、からだの調子を整えること。
これが「不機嫌の芽」への対処法ステップⅡになります。
出典 「不機嫌は罪である 齋藤 孝 P24 抜粋」