今回は、これまで多角的に述べてきた【対話】についてまとめましょう。

対話は、「建前」「本音」「本心」「本気」という4つの流れになることが多い、という点をもう一度整理してみましょう。
重要なポイントは、「本音」と「本心」との付き合い方です。
相手からネガティブな発言があった場合に、経営者・上司が付き合うことが出来るのか。それがポイントになります。
業況・状況の悪い時は、経営者・上司も不安であり、何とか自分を鼓舞して支えていることが多くなります。そのため、相手の不安・不満に対しての耐性が低くなっています。
「俺だってそう思うけど、それを何とかしようとしているんだ!」
経営者・上司のこの感覚が、職場での「対話」がうまく進まない原因の一つと自分は捉えています。
「自分も懸命に消化しようとしている」ということと、「部下の懸命さを理解する」ということとの距離感を自分のものにしていただきたいのです。
「対話」は魔法の杖ではありません。
「号令・命令」のスピード感や、「発信すること」の高揚感もありません。
しかし、真っ暗な状況からスタートして、光が差すような場の変化というものが起こせます。
何度も繰りかえす大変さ・ネガティブに付き合うことの労力・・・それを差し引いても十分な成果が「対話」というコミュニケーションにはあります。
【対話】このコミュニケーション活動のポイントは、導管メタファーという単なる「情報の移動」ではなく、「聞き手の共感」や「行動・考え方の変化を引き出す」活動となっているかどうかです。
すなわち、情報の移動に注目する導管メタファーとの大きな違いは「人の変化への注目」、つまり「コミュニケーションを通じて、参加者自身が変化していくプロセスを捉えようとする「視点」なのです。
業務活動において、ともすれば「導管メタファー」に流れがちなコミュニケーションに、是非「対話」を加えてビジネスコミュニケーションの構築を進めていきましょう!
参考文献 ダイアローグ 対話する組織