年々、中小企業の経営者の方から、新入社員教育が難しくなってきているという話をききます。
詳しく話を伺うと、次のようなことで困っているケースが多いです。
- 言ったことが正しく伝わっていない。
- 報告・相談をすべき点が曖昧で、大事な報告が耳に入ってこない。
- 注意をすると、大きく凹んでしまう様子が見られる。
そして、
なんて言われることもありますが、時代や教育を嘆いても何も変わりません。
私は、名古屋を中心に、岐阜・愛知も含めた様々な中小企業の人材教育や組織作り、会社経営のサポートをしています。
そこで、特に若手の方々と接する時に、意識していることをお伝えします。
結 論
教育をしている時は、教えと結果を分ける。
どういうことなのか、具体例を挙げながら詳しく解説します。
教わったけれどもよく分からない…は誰もが経験している
あなたも、これまでに「何かを教わったけれども、よく分からない」ということを何度も経験している筈です。
それは、仕事に限らず、スポーツでも勉強でも同じです。
ここでは、誰もが分かりやすくするために、スポーツを例に挙げて話をすすめます。
例えば、バレーボールで強いアタックを打とうと思うと、
- タイミングをあわせる
- 高くジャンプする
- 体をしっかり反らせる
- 打点をできるだけ高くする など
この様なことができないといけません。
バレーボールに詳しくない方でも、およそこの様なイメージはもてると思います。
けれども、バレーボールを初めたばかりの人が困ってしまうのは次の様なことが、指導の中で行われることがあるためです。

とにかく、
ジャンプをしたら体を思い切り反らせることを意識しよう!

分かりました。思い切り体を反らせて打ってみますね。

ダメだよー。
それでは、強いアタックにならないよ。
タイミングが全然あってないじゃないか!
あなたは、この会話のおかしい点に気づいたでしょうか。
実は、仕事の場合でもこの様な指導・教育がなされていることがかなり多いのです。
何がおかしいのか?そして、どうすればいいのか?を解説します。
新入社員教育のコツは教えと結果を分別すること
先ほどのバレーボールの例を解説します。
- 【教えた事柄】アタックを打つなら体を反らせよう!
- 【評価した内容】タイミングがあっていない!
簡単な話ですが、日常会話の中でもこの様なズレはたくさんあります。
そして、真面目に学び、実践しようとした人ほど、何が大切なのか分からなくなってしまうのです。
これを避けるためには、
ということが大切です。
新入社員教育で教えと結果と分別するとストレスが格段に減る
営業職の場合、お客様の話をよく聞くことが大切だと言われます。
この点を教えて評価するのであれば、話の聞き方だけを見て評価することが大切になります。
例えば
- メモを取りながら聞いていたのが良かった。
- 相槌を打つには少しオーバー気味の方がいい。
この様な評価はとても意味あるものになりますが、
ということは、ある意味常識的なことかもしれませんが、ここでは、評価せずに、次回の課題にしよう…と伝えることが大切です。
仕事は結果を出してなんぼ!という考え方も分かりますが、「教え」と「結果」を明確に分けることで、教える側も教わる側もストレスが軽減することは分かると思います。
結果を出す練習はまた別の要素として考える(リンク)
とは、言っても仕事で結果を出すことは大切です。
ですから、新入社員に教えるべきことを教え、それぞれの事ができるようになったら、結果を出すことを目標にした教育を行う必要はあります。
そんな視点になりますので、数学でいうと応用問題を解くようなイメージです。
この段階になると、評価・アドバイスをする項目は多様になりますが、事前にお互いがそのことを理解していると、大きな問題になることはありません。
まとめ
新入社員、若手社員を教育する際に大切な「ねらいを絞る」ということを具体例を挙げながら紹介しました。
中小企業の場合、今抱えている仕事が忙しいあまり、丁寧に教育する時間の確保が難しいのですが、かと言って、雑に教育をしていると、会社組織は成長しません。
いつまで経っても社員を教育する人材が誕生せず、経営者の時間がとられることが続き、ストレスが溜まってしまいます。
これでは、せっかくの教育も有効に活かすことができません
ですから、
を意識して、好循環を作っていきたいものです。