社員教育をする時にはロジカルな考え方が最適か?

社員教育
町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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最近は、社員教育をする立場の方も様々な悩みを抱えられているようです。

先日、ある中小企業の幹部の方から次の様な質問を受けました。

社員教育・人材育成に関する本を読み漁っていますが、新しい本ほど、非常に理論的だと印象を受けました。もちろん、理論的に考え、計画的に進めることは大切だと思いますが、あまりにも理論が整然とし過ぎると、楽しみ・面白みが消えてしまう気がします。古いと思われてしまいますが、ひと昔前の精神論的な要素もあった方がいいと思いますが、どうでしょうか。
実際に、様々な会社の若手の人材育成に関わっていらっしゃる立場からの意見も聞かせてください。

多分、この悩みに共感できる方もとても多いと思います。

もちろん、社員教育・人材育成というのは、相手が人であるために、私が関わる場合には、それぞれの個性・特徴を見ながら調整することが多いのですが、ここでは、そういったものを排除して、私が日頃感じていることを踏まえながら、この質問に答えていきたいと思います。

結論は、

  • どれだけ理論で固めても最後は、感情で人は動くために精神論的な要素も大事。
  • 特に日本のビジネスは、精神論的な要素を多めに盛り込んだ方が上手くいく。

なぜ、この様なことが言えるのか、解説していきます。

 

理路整然とした話は「分かり易く受ける」が行動に結びつかない

私も社員研修の場で、これまでの経験を踏まえながら話をさせていただく機会がありますから、理路整然と話ができればどんなにいいだろう…と何度も思ったものです。

ただ、ある時にとても話が上手で「確かにそうだ」と思える講演会に参加したことがあるのですが、この時に、理屈は分かったけれども実践できそうにないという感情に襲われました。

果たして理屈が淡々と語られる授業が面白かっただろうか?

あなたも学生時代の授業を思い出して欲しいのですが、理屈が分かりやすく解説される授業は確かに分かりやすかったかもしれませんが、その授業が好きになったでしょうか。

きっと、時々訳が分からない話になってしまうことがあっても、人間味に溢れ、どちらかと言えば、理路整然としていない先生の授業の方が面白かったのではないでしょうか。

こんなことを思い返すと、会社においても

  • 分かりやすく伝えようとする努力は大切
  • しかし、分かりやすささえ追求すれば良い訳でもない

という結論に至ったわけです。

これは授業に限らず、私たちの生活を振り返っても同じことが言えます。

高機能であれば商品が勝手に売れるなんてことは絶対にない。

電化製品でも、日常の食料品でも、コスパさえ良ければ絶対に売れるなんてことはありません

もちろん、機能性・品質はとても大切ですが、その商品が誕生した経緯や開発の努力を知ったり、販売者の意図を理解した時に、初めて購買意欲が高まるものです。

つまり、

理論・理屈・品質+人の気持ち・その過程

の両方が大切だということです。

そんなの当たり前じゃないか?という声も聞こえてきそうですが、社員教育・人材育成も全く同じということです

 

人材育成にも精神論的な要素も大事だと言える理由

2022年の冬季北京オリンピックが終わりました。

私はスポーツの専門ではありませんが、オリンピック選手にもなれば、何をするにもロジカルにトレーニングを積まれるだろう…という想像はつきます。

そのロジカル加減は、きっと私たちの想像をはるかに超えるものだと思います。

それでも、テレビ解説者などは、しきりに、

オリンピックという物凄いプレッシャーの中でメンタルを高め、集中できたことは凄い!

などと言われていました。

つまり、いくらロジカルな技能を積み上げていても、メンタル的な部分が物事の結果に大きく左右するということです。

私たちは、スポーツ選手ではありませんが、日々、仕事の中で様々なプレッシャー・不安と戦っているのは事実です。

ちょっとした出来事がきっかけに、成約が遠のいてしまうということもあります。

そうした時でも、もう一踏ん張りできるかどうかは、素晴らしい技術を知っているかどうかではなく、「今はピンチだけど前向きに考えよう」という心意気だったり、根拠はなくても励ましあえる仲間の存在にかかっていると言って過言ではないでしょう。

 

分かりやすい欧米化ビジネスと日本のビジネススタイルの違い

現在は、ビジネススタイルも随分欧米化が進みました。

ビジネスの欧米化というのは、極めて簡単に言えば、

結果主義的なビジネススタイル

のことです。

結果で人を評価する訳ですから、とてもシンプルかつ公平性が担保されるので、欧米化されたスタイルでビジネスをするのも良いと思います。

ただ、結果が重視されるあまり、どうしても次の様な考えも生じやすくなるのが課題です。

  • 今日、時間ができたからと言って〇〇社を訪問することに意味があるのか?
  • 本当は〇〇〇〇をしておいた方がいいけれども、それ以上の見返りが期待できるのだろうか?

もちろん、営業マンとして経験豊富な方は、この様な発想では絶対にうまく行かないことは十分承知のことだと思います。

ところが、結果主義的な要素を強くし、会社を経営している知人は、この空気が社内に漂っていることに頭を悩まされているのも現実です。

一方、古くからある日本のスタイルを重視している会社は、結果ではなく、仕事に対する熱意・努力をできるだけ評価しようとされています。

実際に、私が人材育成・社員教育に関わっている会社もこのスタイルです。

どうしても公平性・客観性に欠けてしまうところは欠点ですが、社内の人間関係の構築がうまく行き出すと爆発的な伸びも十分期待できるのです。

それは、

自分のキャリアの為に働くのではなく、会社の成長の為に働きたい

と思える様になるためです。

これは、結果に応じて給与がどうなるとか、ポジションがどうなるとか…という約束の中では、生まれることのない別の感情です。

平たく言えば、

今日はお母さんの体調が悪そうだからいっぱいお手伝いをしよう

という感情での行動が最も心地よく、相手にも伝わるものがたくさんあるということです。

こんな見方をすると、ロジックでいろいろな話を構成することも大切ですが、どこかに人らしさが感じられる精神論的な要素もあっていいんじゃないかなと思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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