社員教育は重要だが時間がない!このスパイラルから抜け出す方法

社員教育
町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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企業において最も重要なものは何か?

様々な考え方がありますが、最近では多くの経営者が「人」だと言われる様になりました。

そのために、企業は膨大な費用と時間をかけて、素晴らしい人材を求めてきました。

そして、現在でも「素晴らしい人材」を求めています。

と同時に、企業は「人を育てる」ことを行う必要があることは、あなたも十分承知だと思います。

実際に私も、名古屋を中心とした地域の様々な中小企業の社員教育・組織開発に関わっていますが、企業が「人を育てること」で大きく社風がかわり、業績も変化することを目の当たりにしてきました。

ところが、先日、この様な質問をいただきました。

確かに、社員教育をすることはとても大切です。様々なビジネスの歴史を観ても、「学ぶ」ということは企業が存続するためにも重要だということは分かります。
ただ、現実的に、社員教育をする時間を確保することが難しいのです。
何か対策はできないでしょうか。

時間との悩みは、他にもたくさん質問をいただきます。

そこで、今回は、この問題についてどの様に考え、具体的にどの様に対策をすればいいのか、私の経験をもとに詳しく解説します。

 

【社員教育の時間に対する考え方】教育の時間は、設備投資と同じ

中小企業が社員教育を行う時間を確保することは、とても困難なことは、私も身をもって痛感してきました。

ところが、

社員教育に関する費用・時間=リターンの大きな投資

という理解をして、自分自身が随分気が楽になったという経験があります。

社員教育と一言で言っても、業種や目的によってその幅はかなり広いために、一つ分かりやすい事例を挙げて解説します。

 

掛け算を覚えるのに時間を多く使うが得られる時間はさらに大きい

小学校に入学すると、誰もが足し算を学びます。

そして、登下校の時に友達と「3+3+3+3はいくつ?」なんて問題を出し合いながら楽しんだとおもいます。

この時に、足し算しかしらない時は、一生懸命3+3=6、6+3=9、9+3=12という風に考えます。

ところが、掛け算というものがあり、最低でも「1×1〜9×9」の範囲を覚えてしまうと、様々な計算ができる様になるということを後に学習します。

誰もが九九を覚えるのに膨大な時間を費やすのですが、一度覚えてしまうと、足し算だけの知識ではかなり大変な計算も随分早く処理できる様になります。

掛け算を知って得をした時間は膨大な時間

という風に考えることができます。

 

社員が学んだことは、その後ずっと活かされ、減ることはない

話を大人社会に戻しましょう。

社員研修をするには、時間が必要です。

その研修で学んだスキルは、その後、ずっと活かすことができるのが基本です。

ところが、研修の内容によっては、その後活かされないものもあります。

次の2つを比較してみましょう。

  • 営業マンの雑談力を高める研修
  • スマホアプリを使ったビジネス戦略の研修

実際に、最近では、営業マンに「雑談力を高める」というテーマで話をすることもありますが、どんなに社会が変化しても、人と人との間には必ず雑談が生まれます。

反対に、「スマホアプリを使ったビジネス戦略」は、今後ずっと活かされるかどうかが不透明です。

アプリの仕様が大きく変わることもあれば、一時的に爆発的な力をもっても後に衰退してしまうアプリもたくさん観られるためです。

ただ、即効性がありそうなのが後者であるために、様々な社員教育に関する資料を観ていても、後者の様な内容のものの方が圧倒的に多い印象を受けます。

  • ずっと活かされるものになる社員教育のテーマか?
  • 一時的なものになるリスクがある社員教育テーマか?

この視点をもっておくことはとても大切です。

もちろん、なかなか社員教育に関わる時間が確保できないという場合には、前者の様に普遍的に活かされると思われるテーマから教育をするべきです。

ところが、この様なことも十分に分かっているが、それでも社員教育に関する時間を確保することが難しいという場合があります。

その様な場合の解決策を一つ紹介します。

 

実は無駄な時間が多いということを認識する作業を行う

時間との戦いは、中小企業に関わらず、古今東西人類の悩みの一つです。

多くの人が「時短・効率化」を目指して様々な方法を提唱してきました。

書店に行けば、時間効率に関する本は、たくさん売られています。

この様な本は、10年前にもどっさりと売られていたましたから、簡単に解決できる問題ではないということがよく分かります。

つまり、

「時間を作る魔法の薬」は存在しない

ということです。

それでも「時間を作る」最もシンプルな方法は、無駄な時間を削減することです。

実際には、無駄な時間というものは存在しないと私は考えていますが、何かを追加するのであれば、何かを省くことが必要になります。

これまで、慣習的に行われてきたことも本当に必要なことなのか見直すのも一手です。

  • 朝礼の管理職の挨拶
  • 会議などの冒頭の挨拶
  • 残業していると頑張っているという風に見られる雰囲気 など

は見直す必要がありそうです。

実際に、私が関わる会社で朝礼を週に2度しか行わないという形に変更した会社もありますが、全く問題なく業務は行われています。

むしろ、若い世代の方からは随分スマートになって働き易くなったという声がありました。

こちらは、時計メーカーのCITIZENが行ったアンケートの結果です。

 

「無駄だ」と感じる仕事時間はありますか。下記から3つ以内でお選びください。

社会人1年目の時間と仕事の意識調査(https://www.citizen.co.jp/research/time/20130221/06.htmlより引用)

時には、この様な結果を参考にしながら、本当に必要な時間かどうか見直したいものです。

 

タイマーを活用して時間制限を設ける

「他人が頑張っているなら自分も頑張ろう!」というのは日本文化の素晴らしい点です。

ただ、これが少し歪んだ形になって、遅くまで残業していると頑張っているという風潮が強くなった時期があります。

最近は、社会的に随分改善された様に見えますが、中小企業の場合、この歪んだ文化が根強く残っていると感じることがあります。

例えば、

  • 会議の冒頭の挨拶も長い方がよい
  • 会議・打ち合わせでは意見がたくさん出た方がよい
  • 長く議論をした方が良い結果が得られる

という風潮もあります。

当然、会議や打ち合わせの目的によって、上の様な状態の方が良いこともありますが、何かを決定する・意思統一を行うのであれば、

短時間で物事を決定させる

ことが最も重要な目的となります。

「なんとなく長く議論した方が良い」という風潮から、「短時間で決定する」という風潮を作るには少々時間がかかりますが、私はタイマーを利用することを勧める場合があります。

 

とても簡単な例で言えば、

  • 今から社内の清掃をしよう!
  • 今から10分間、社内の清掃をしよう!

というだけでも印象は異なりますが、さらに実際に試してみたところ行動の早さも異なったのです。

全ての業務にタイマーを活用することはよくありませんが、内容によってはタイマーがあることで、大きな時間的損失がないということを感じるとることができます。

些細な取り組みですが、ところどころにこうした工夫を取り入れるだけでも、時間の余裕が生まれたと言われる会社が出てきたことも事実です。

 

「いつもでいいので、できる時にやっておいて欲しい」と言われる仕事は、とても有難いことですが、なかなか進まない…という経験を誰もがしているはずです。

子どもの頃の夏休みの宿題も同じで、「時間があると時間がない」という矛盾を多くの人が体験してきたと思います。

こうして見ると、「時間」というものは不思議な存在ですが、工夫しながら付き合うのは、とても面白いものだと感じます。

 

一部でも参考になった点があれば嬉しいです。

町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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