2022年に入り、感染症が再度爆発的な勢いを見せています。
こうなると、何らかの政策が出され、再び仕事に影響が出るのではないか?そんな不安もよぎります。
先日、ある中小企業の経営者の方からこの様な質問を受けました。
ところが、このご時世ですから、停滞感がやはり出てきてしまいました。
この様な時に、どんなことを考えて次に備えたらいいのでしょうか?
町野さんの考え方・技術を教えていただきたいと思います。
実際に、業界・社名を出すことはできませんが、どの業界でも中小企業であれば行った方が良いと思うことを紹介します。
結 論
データ分析というと、難しいことの様に聞こえますが、本質はとてもシンプルです。
どういうことか、詳しく解説します。
中小企業の多くは、1日1日が一生懸命!【長い目は持ちにくい】
個人事業主の方も、中小企業の経営者・幹部も毎日が必死です。
もちろん、大企業も同じことが言えると思いますが、中小企業の場合、目の前の仕事の処理を経営者・幹部も現場に出て、直接関わるということが多々あります。
そのため、人の良い経営者ほど、お客様のことを真剣に考えてしまうようになるので、どうしても現場思考に傾いてしまう傾向が強くなってしまいます。
人によっては、
- 中小企業の経営者でも現場に立ってはいけない。
- 経営者というものは、何もしていない様に見られ、嫌われて当然。
この方が良いと言われる方もいらっしゃいますが、業種・会社の規模・組織の状況によって、結論は大きく変わるために、私の場合は、限定的な伝え方はしていません。
ただ、
という風にお伝えしています。
実際に、私が中小企業の組織開発・人材育成に関わっている会社は、
- 個別面談の形式で話し合われている会社
- 会議の場で、将来展望を話し合う時間を設けている会社
があるのが現状です。
いずれにしても、現代の多くの方は、時代の流れがあまりにも早いために、将来・未来に対して不安を感じている人が多いのが現状です。
ところが、未来のことは、誰にも分かりませんが、少なくとも、「未来について考えている」という部分は、意図的に従業員に見せたり、一緒に考えることで、仕事への不安は削減されます。
ここまでは少し長期的な視点の話になります。
では、もう少し短期的に「これから」を考えるにはどうすればいいのでしょうか。
仕事が停滞した時にこそ、データー分析【自分たちで行ってみる】
中小企業の場合、大抵は先に触れた様に、1日1日が精一杯です。
ところが、2021年・2022年の様に感染症が広がり、仕事が停滞気味になった時には、僅かながら余裕が生まれることがあります。
その様な時に
ということが大切です。
データ分析というと難しく聞こえますが・・・
実は、データ分析を専門的に行うには、かなりハードなものです。
そこで、専門家の手を借りて、資料を提供して分析を行ってもらうという形がとられる場合もありますが、自分たちで分析をしてみるというのは、組織を変える上でとても有効です。
例えば、
という場合、どこに原因があるのか、どの様な改善策が考えられるか、社内でもう少し、詳しくデータを整理するところから始めます。
私の経験上、これは勿体ないなぁと感じるのは、

昨年は売り上げが10%程落ちてしまいました。
なぜ、落ちてしまったのか、改善策はないか考えてみましょう。
と、非常に簡単な資料だけで、議論を始めるケースです。
この様に話し合いを進めてしまうと、感覚・雰囲気で「〇〇が原因だと思う」という話で終わってしまうケースがほとんどです。
それでは、今後どうするのか?が明確になりにくく、「無駄な会議だったよね」となってしまいます。
ですから、
と材料を集める段階のことを話題にすることをオススメしています。
この様な話を社内で行うと、統計学的にはお門違いな意見がでることも多々ありますが、そんなことは重要ではありません。
まずは、社内の多くの人が、「それが分かれば、どこに問題があるかよくわかるよね」と感じることがとても大切です。
わたしが人材育成・組織開発に関わっている会社で、面白い発想をされた会社の事例があるので、紹介します。
データを分析するために使える材料は無限にある。
一般的に、営業成績について分析するには、
- アポをとった数
- 実際に会って話ができた数
- 次回のアポイントがとれた数
- 自社製品に興味を示した数
- 成約にいたった数
これらを見て、改善策を考えるように言われるのが定番です。
ただ、ある会社の若い営業マン達が抱える共通の課題は、「次回のアポイントにつなぎにくい」というものでした。
もちろん、若い営業マンと言っても、しっかりと、「次回会いたいと思ってもらえる様な話の流れ」はそれぞれが、準備していました。
けれども、次回のアポイントメントを決めるのに躊躇の様なものを感じるという声が多く挙がったのです。
なぜ、躊躇の様なものを感じるのか?その理由は次の通りでした。
- 次のアポイントを持ち出した時点で、売り込みに来ると思われないか気になる。
- 相手も忙しいことを踏まえると、どのタイミングが次のアポイントによいか判断しにくい。
- 相手から「また次回を楽しみにしています」とはなかなか言ってもらえない。
こうしてみると、データ化できそうなことは2か3という事になりました。
その会社が関わる主な取引先は、概ね業種が限定されていたので、どのくらいの間を空けて、次に会えばスムーズに話が進むのか?ということもデータとして残して行こうということになりました。
もちろん、どの様な話の展開をすれば相手から次回のアポイントを希望されるのか?ということも、資料として蓄積していこう。という話になったのです。
何をデータとして活用するか?を自分たちで決め、分析して組織は変わる。
業種によって違いはあるものの、営業マンの成果をあげるには「どの様な視点でデータを分析するのが良いのか?」こういったことが書かれた本は山ほどあります。
セミナーで熱心に教えてくれる方もたくさんいらっしゃいます。
にも関わらず、多くの中小企業がなかなか上手くいかないと、会社経営に苦しんでいるのは、なぜでしょうか。
それは、
の違いにあると思います。
実は、先に紹介した会社の場合、「こんなデータをとってみてはどうか?」という話になってから、次回のアポイントに話をもっていくのに躊躇すると言われる方が格段に減りました。
その理由は、もう既にお分かりだと思いますが、
自分たちで問題を解決しようという意識が芽生えてきたために、十分なデータが揃う前に、既に改善策が個々で講じられるようになったのです。
「この様なデータをとってみよう」という話は、専門家の方からすれば、間違っている様に見えるかもしれませんが、私たちは、営業ノウハウの研究者ではありません。
どんな方法を使ってでも、みんなの意識が気持ちよく高まり、結果が出ればいいのです。
先日、紹介した駿河台大学の駅伝チームも自分たちでデータ分析をするようになってチームは大きく変化したそうです。
詳しくは、経営者・上司はどうあるべきか?【箱根駅伝・駿河台大学から学ぶ】を参考にしてください。
野菜嫌いだった子どもが、自分が育てたミニトマトは「おいしい」と言ってパクパク食べるのと似ている気がします。
最後までお読みいただきありがとうございます。