【適切な会議とは?】中小企業が陥りやすい会議の問題点と解決策

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町野文孝

株式会社インターテック代表取締役・心理資本経営コンサルタント

これまで自身の中小企業経営の経験を活かし、様々な中小企業の人材育成・組織開発に関わる。方針を打ち出すだけではなく、自ら、企業に入り込み、従業員の方々とも対話を行いながら、組織を作りを行っている。
これまでに、関わった全ての中小企業は、現在も業績を伸ばし続けている。心理面がメインに感じられることも多いが、財務に関するプロでもあり、数々の資格を有している。

中小企業が成長していくには、「どの様な会議を行うのか?」という点を改めて考える必要があります。会議の質が向上すると次の様なメリットが生まれます。

  • 従業員のやる気が向上する。
  • 社風が良くなり、離職率は大幅に下がる。
  • 売り上げ、利益が大きく伸びる。

当然と言えば当然なのですが、実際、中小企業の多くは日々の業務に追われることが多く、会議を計画的に行っているという企業はそう多くありません。そのため、会議の目的も見失われがちになってしまい、次の様な声が挙がることも珍しくありません。

また会議かぁ。
会議の時間を使って仕事を進めた方が生産性が高いのに…。

社長の演説を聞くのは、正直辛いよなぁ。

多くの従業員がこの様な気持ちのままでは、企業が大きく成長する見込みは0だということは明らかです

では、どうすればいいのでしょうか。ここでは、よくある問題点を挙げ、私が様々な中小企業に対して実践している改善策を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

目次

ありがちな良くない会議の事例

私は、様々な中小企業の人材育成・組織開発に関わっていますから、日々、様々な立場の方と話をする機会があります。そんな中で会議に対して聞こえて来る言葉は…

CHECK!

会議の時間ってかなり無駄じゃないか?

というものです。実際に私もお客様の会社の会議に参加させていただくこともありますが、確かにそういう声が挙がるのも無理はないなぁ…と感じることもあります。

貴重な時間を割くにも関わらず、どうして有意義な時間とならないのでしょうか。

ゴールを決めないまま会議を行っている

今回行う会議で、どうなればOKなのかゴールの設定がなされていない場合があります。具体的には次の通りです。

  • 問題解決に向けた議論をし、何らかの結論を出すのか? 今回は議論だけでも良いのか? これが明確になっていない。
  • 報告するだけでいいのか? 報告から問題点を見つけ解決策を考えるところまで目指すのか?

何を目的とする会議なのか明確になっていないと、充実感も感じることはできません。

なんとなく時間をかければ良いと感じている

もう遅いし会議を終わろう。

こうなってしまうケースも多いのではないでしょうか。もちろん、会議の内容によっては、長時間議論することも大切ですが、長時間会議をしたら頑張ったということになるとは限りません

反対に短時間で会議が終わる場合もありますが、そういった場合に、無理に会議を伸ばそうとする風潮はないでしょうか。

経営者・上司のダメ出しで終始してしまう

なんやかんや言っても、結果が全然出てないじゃないか?
なぜ、結果に結びつかないのか、分析ができていなからダメなんだ!

全てが上手く行っているという中小企業はありません。

どの企業も何らかの問題点・課題点を抱えているのですが、経営者や上司が、従業員の至らない点をダメ出しするだけの会議になってしまっているケースも見られます。

第三者の立場から見ると、経営者や上司のストレス発散の場になっているようにさえ見えることもあります。これでは、当然、多くの人が「会議なんてやっても無駄」となってしまいます。

では、どうすれば質の良い・従業員の充実感が得られる会議になるのでしょう。私が様々な中小企業で実践していただいている内容を紹介します。私が関わっている中小企業は、ちょっとした工夫で会議の質を向上させ、全て(100%)の会社が業績を伸ばしていますので、参考にしてください。

今日からできる!質の高い会議に変える具体的な方法

私が目標としていることは、

若手従業員

明日の会議は結構楽しみだなぁ…。
〇〇の話をしてみんなの考えを聞いてみたいし、資料の準備も確認しておこう。

こういった従業員が数人でも誕生することですが、まず初めに「会議が楽しみとまではいかないが、必要なことだとは思う」というところを目指したいと考えています。実際に、私が関わっている中小企業ではこうした認識をする従業員も見られる様になってきました。

その具体的な方法を一部紹介します。

会議は報告会議なのか?問題解決会議なのか?

これから行われる会議は、

  • 報告会議
  • 問題解決会議

このどちらになるのか明確にし、会議参加者に事前に知らせることです。最初は、「どういうこと?」となる場合もありますが、1度目的を明確にした会議を経験すれば、理解が得られるはずです。

もう少し詳しく解説します。

報告会議で行うこと

報告会議の目的は、「お互いの状況を知っておく」ということです。ですから、現状、取り組んでいる仕事がどの程度進行しており、どんなところに問題があるのかを参加者全員が分かれば、良いということになります。

ここで参加者全員で考えないといけない問題点があったとしても敢えて解決までは目指しません。

〇〇については、全員でどうしたらいいか考えた方が良さそうだ。
来週までにどうしたらいいのかアイディアを考えて来て欲しい。

この様な形で会議を終えればいいのです。場合によっては、30分以内で会議が終わることもあると思いますが、それはそれで全く問題ありません。

繰り返しになりますが、報告会議の目的は「状況をみんな把握すること」ですから。

問題解決会議で行うこと

問題解決会議のゴールは、「問題を解決するためにどうするのか?」を決めることです。もちろん、それまでに様々な議論をする必要はありますが、次の2点に集約できるはずです。

  • どうすれば問題が解決するか仮説を決め、実践する合意を得る。
  • 問題を解決するためにやるべきことを確定させ、実践する合意を得る。

前者と後者は非常に似ている様に感じるかもしれませんが、全く性質が異なります。

前者の場合、問題に対してどの様にすればいいのか明確な答えが分からない状態ですから、「〇〇をしたらいいのではないか?」というアイディアを出し、「みんなで試してみよう」と合意が得られる状態を作ることです。当然、これで完全に問題解決できるかどうかは分からないので、さらに後日、仮説は正しかったのか?と検証する必要があります。

一方、後者の場合は、これまでに似た様な問題を企業が抱えたことがあり、ある程度解決策を誰かが知っているという場合には、やるべきことを確定させることができるでしょう。

通常、多くの場合は前者に該当するので、「仮説を決めることができれば良い」ということを会議参加者が事前に認識していれば、無駄な会議という意識はかなり薄れるものです。

時間で会議を終わらせない文化をつくる。

私自身もそうでしたが、30分程度で会議を終わらせてしまうと、なんとなく「雑な会議だったのでは?」などと言う気持ちになってしまうことがありました。

現在では、様々な企業の会議を拝見する機会に恵まれていますが、電話を切る時と同じ様に「会議を終わらせる言葉」に躊躇されているなぁと感じる場面が多々あります。こうした意識から抜け出すことはとても重要ですから、早く終わった会議があれば…

中小企業経営者

今日の会議は、非常にコンパクトで無駄がなかった。
こうした会議を増やしていくことは大切だ。

こうした言葉を上の立場の人が積極的にかけて行くことは大切です。また、会議の案件に「その他」を入れないことを徹底するだけでも、会議の時間は大きく短縮することができます。

最初は、会議が短いことに違和感を感じる人も多いのですが、何度か目的を明確にした会議を経験すると「今まで相当無駄な時間を使っていたことが分かった…」と言われるようになります

ダメ出しを徹底的に排除する(言い方を工夫すればできる)

先に触れた様に、会議がつまらない・意味がないと感じる理由の一つに、メンタルが辛くなるというものもあります。その原因が「経営者・上司によるダメ出しの連続」です。ですから、

CHECK!

ダメ出しを徹底的に排除する。

という意識を経営者や上司はもつべきです。

こうした話をすると、

中小企業経営者

ダメなものはダメだとはっきり言わない方がダメじゃないか。
いつまでも甘やかしていたら成長は期待できない。

こう言われることもありますが、

CHECK!

ダメ出しをしない=甘やかす」ではない

ということも認識しておきたいものです。そもそも至らないところを厳しく指摘して、叱り飛ばしさえすれば、人が成長するのであれば、どの学校も職場もそういう雰囲気になっていくはずです。

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。

指摘するポイントを一つだけに絞る・一人だけが指摘する

大抵の場合、自分の至らない点は自分がよく知っているものです。その上で、大勢の人から至らない点を指摘されるとイラッとしたり、気分が萎えたりしてしまうものです。

ですから、至らない点を指摘する必要がある場合は、

  • 複数指摘したいポイントがあっても指摘するポイントを1つに絞る
    (他のポイントは別の機会に)
  • 複数人が同類の指摘をすることを避け、指摘する人は一人に絞る。

こうすることで、会議の時間も短縮することができ、気分の落ち込みを小さく抑えることができます。ただ、何度同じをことを言っても同じ失敗をするという人に対しては、会議の場ではなく個別対応を考えたり、一緒に失敗を繰り返してしまう原因を探ることが大切になります。

言い換えを意識する

さらにできることなら、「〇〇ができていないからダメなんだ!」と言った表現を避けることで、さらに会議の質は向上します。例えば、

  • 結果は一切気にせず、飛び込み営業をしてみたら新しい発見ができるはずだ。
  • 全て自分で完結かせようとせずに、〇〇さん達に状況を伝えていたら、スムーズに契約に至れたかもしれない。

といった表現に変えることです。

ダメ出しを避ける基本的な表現の型は、

CHECK!

もし〇〇ができれば、〇〇ができるようになる。

です。この表現は様々なところで使えるので、どんどん使って欲しいと思います。

中小企業経営者

報連相は仕事をする上で基本中の基本やろ!

こう言われるより、随分納得感が高まるはずです。

ただ、この言い換えは、経営者や上司が日頃から意識し、日常会話でも実践しておかないと、サッと言葉にするのは難しいかもしれません。まず初めに「しまった!ダメ出しの表現をしてしまった。」と自分自身で気付くことが第一歩となります。

会議の運営を学ぶ機会は滅多にないから…

ここまで、会議の質を高めるためにできそうなことの一部を紹介しました。

ただ、最も大きな問題は、多くの人が

CHECK!

スムーズで目的が明確にされた会議を経験したことがない

ということです。要するに「お手本・モデル」となるものを経験したことがないのに実践するというのは非常に困難でもあります。ですから、私は、直接関わりのある中小企業の会議の事前準備・進行を行うこともしています。

会議をより有意義に活用したいという方は、お気軽にご相談ください。冒頭に挙げた、3つの変化が感じられるようになるはずです。

  • 従業員のやる気が向上する。
  • 社風が良くなり、離職率は大幅に下がる。
  • 売り上げ、利益が大きく伸びる。
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この記事を書いた人

30年以上、中小企業経営を行っている。その間に大成功もおさめた一方で、離職などの影響もあり、経営の危機を何度か味わう。そこから再び這い上がりながら、「良い中小企業経営の形」を徹底的に追究。
現在は、自身の実践をもとに東海地域の中小企業経営のサポートを行い、関わりのある全ての会社の業績向上を達成し、採用に貢献。

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