日曜日の夜になると「あぁ、明日からまた仕事だよ。」という言葉をよく耳にします。
その気持ちも十分に分かりますが、あなたが経営者・上司であれば、こんな言葉を従業員が漏らしていると辛い気持ちになるはずです。
もちろん、私もこれまで辛いなぁ…と感じたことがあります。
では、どうすれば
この答えは、経営者の誰もが求めるものですが、今日紹介する方法は、非常に効果があったものですが、万能薬ではありません。
ただ、実践をしてマイナスになることは100%ないので、参考にできる部分を取り入れていただけたら幸いです。
結 論

なんだ、そんなことは日々やろうと思っていますよ。

そうだよね。ほとんどの上司、経営者は従業員の話を聞こうと思って努力しているよ。でも、「話を聞く」と「提案を聞く」は全く違うんだ。
従業員・アルバイトフタッフの方々が仕事が楽しいと感じる時
そもそも、職場の方々が、どんな時に仕事が楽しい!と感じるのか大雑把にでも知っておく必要があります。
ここで、「大雑把に」と表現したのは、業種によって傾向は異なることがあるためです。
ここでは、業種を特定することはできないので、大雑把な話になりますが、中小企業の場合、専門分野はかなり限定されるので、より細かく把握できるはずです。
次の資料は、20代〜50代の全国で働く男女500人を対象としたアンケート結果です。

仕事が楽しいと感じる瞬間ランキング(https://media.bizhits.co.jp/archives/7315より)
よく、従業員やアルバイトの人の愚痴で、
- 労働の割に給料が安い
- 肉体的にも時間的にも仕事がきつい
- 職場の人間関係が嫌だ
などの話を聞きますが、これらの愚痴の内容を改善すれば良いというわけではないことが明確にわかります。
本当は、自分の存在の価値が認められた時に、嬉しい・楽しいと感じるのです。
時々誤解があるのが、存在の価値を認める=お金(給与を高くする)ことだと思っていらっしゃる経営者の方がいますが、お金と人の存在価値は切り離して捉えた方がいいでしょう。
いずれにしても、働く人が「仕事が楽しい!」と感じるのは、
ということは、忘れてはいけません。
あなたの会社の従業員、部下を思い浮かべてみましょう。
それぞれの存在価値をあなた自身が感じているでしょうか。
部下や従業員に存在価値をとことん感じてもらう方法
ここで紹介する方法は、従業員数が少ない中小企業ではとても有効です。
実際に、私が組織開発、人材育成などで関わっている会社でも実践してきた内容です。
具体的に何をするのか紹介します。
STEP1 経営者・上司は提案をしてもらうことを喜ぼう!
従業員などから提案があれば嬉しいに決まっているだろ?そう思われるかもしれませんが、それは表面的であって、ほとんどの経営者や上司は提案を恐れています。
その理由はとても簡単で、自分がこれまでに良いと思ってきたことを組織に反映させていますから、従業員から提案があるということは、裏を返すと「ダメな組織だ」という事になるのです。
例えば、
などと言われると腹が立つはずです。
この様な感覚を経営者・上司は必ずもっているということをまずは自分で認めることが必要です。
具体的には、部下や従業員が、「これは〇〇から先にした方がいいと思いますが。」などの話があった時にも、「ありがとう。よく言ってくれた。」とまずは感謝を言うことが大切です。
これは、「〇〇を先にした方がいい」という提案を採用しなさい!というものではありません。
そんな些細な意見も言ってくれたことに感謝するという意図です。
STEP2 部下や従業員が提案できる場を作る
どんな人も、人それぞれの経験を積んで「現在」があるわけです。
経験豊かなあなたでも思いつかなかったことが、部下や従業員の中で溜まっていることも多々あるものです。
そこで、次の様なことを行い、誰もが提案できる場を設けます。
実際には次の様な形で、部下や従業員の話を聞きます。
- 月に一度、10分〜15分程度の時間をとって、「〇〇した方がいい」という様な提案を書いて貰う時間を設ける(提案があってもなくてもOK)。
- 書かれた提案に対して全員に必ず返答をする。
たったこれだけのことです。
それでも、部下や従業員の時間を奪う訳ですから、時間はタイマーを使うなどして絶対にそれ以上の時間を奪うことはしない!ということを明確にすることも大切です。
そして、一番重要なのは、出された提案に対して全員に返答をすることです。
提案を採用するしないは、この段階では一切気にする必要はありません。
提案をしてくれたことに感謝する気持ちを持ちながらあなたが返答することで、部下や従業員の存在価値が確実に高まります。
社内の雰囲気にもよりますが、1年間、この様な取り組みを行った結果、この様な時間を敢えてとる必要もなくなり、社内の全員が参加する会議が楽しいものになった…という会社も見られました。
人は認められることを渇望する生き物
あなたもどこかで、
という言葉を聞いたことがあるはずです。
注目したいのは、「認められることを希望する」ではなく、「渇望する」という点です。
これは、子どもの様子を見ていても分かります。
何かと邪魔なことをしたり、意地悪をしたり、話しかけてきたり…あらゆる手段を使って自分の存在をアピールしてくるものが子どもです。
大人の場合、相手の立場のこともある程度理解できるので、このアピールはかなり弱いものになってしまいますが、アピールが弱いからと言って、「認める必要がない」訳ではありません。
日本文化の素晴らしいところでもあり、悪い部分でもありますが、「感謝している・存在を認めている」という事は、言葉にしなくても分かるだろう…という考えは非常に危険です。
ある会社は、従業員の存在を認めること、言葉にして伝えることをとても大切にされてきました。
そして、面白いことに、その代わりに「社長の考えていることも認めて欲しい」という事も素直に表現された結果、従業員と経営者との距離感がグンと縮まりました。
経営者・上司と部下・従業員の距離を縮めるのに大切なことは、従業員や部下との距離感を感じる時に試したい3つの言葉を参考にしてください。

もちろん、この会社の職場が楽しい雰囲気になったことは言うまでもありません。
あなたは、周りの部下や従業員の方々の存在に感謝し、その事が伝えられているでしょうか。
この機会に見つめなおしてみてはどうでしょうか。