イメージと異なる!高い信頼を得やすい組織は小さな組織?

マネジメント(管理)
町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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先日も経営者の方と話をしているとこんな事を言われました。

「信頼を高めるってとても大切ですが、なかなか難しいですね。組織が大きくなると、会社の理念に対する温度差の様なものも出てきますしね。」

この気持ち、あなたもよく分かるのではないでしょうか。

また、信頼を築きあげるには、コツコツとした努力が必要ですが、信頼を失うのはとても簡単です。

今日は、組織として信頼性を高めるためにできることとは?について考えてみたいと思います。

 

まず、前提条件として

  • 収益性の確保にはほぼ問題がない
  • 単機能(例 営業機能・部門のみ)の組織
  • 小ぶり(規模)である

 

を満たしているのなら、信頼を築き易いと思います。

その理由が分かれば、どんな組織でも「信頼を得る」ために何をすればいいのか見えてくるのではないでしょうか。

 

小ぶりな組織と大きな組織ではチーム運営の仕方が違う

先に信頼を築きやすい組織の3つの前提条件を紹介しました。

ところが、現実にはこの3つの条件を満たす組織というのはそう多くはありません。

実際は次の様な組織がほとんどではないでしょうか。

    • 収益性の確保には偶然性が強く影響する
    • 営業部門、製造部門、企画・開発部門、事務部門の複数機能がある
    • 20人以上の人員がいる(まずまずの規模の大きさ)

 

つまり、条件だけを見ると、信頼を得る事が難しい組織がとても多いという事です。

どういう事か?もう少し具体的に詳しくみていきましょう。

 

こちらの記事に書いた「マグロ漁船」を元に考えてみます。

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収益性の確保には偶然性が強く影響する

マグロ漁船の場合、海や魚の状況によって収益は大きく左右されますから、偶然性が強く影響すると言えます。

また、固定客の少ないカフェも、人通りの量、天候などによって来店者人数が大きく変動しますから、収益には偶然性が強く影響すると言えます。

反対に、月額制のサービスは収益の確保に偶然性が強く影響する可能性は低いと言えそうです。

 

単機能(例 営業機能・部門のみ)の組織になっている

マグロ漁船の場合、マグロを収穫する事が目的ですから、単機能の組織と言えます。

反対に「花王」の様なメーカーになると、研究・開発、営業、製造、事務…など様々な組織がありますから、単機能とは言えません。

 

つまり、マグロ漁船の場合は、単機能ではあるものの収益性の確保について偶然性に強く影響されるために、大きな不安・緊張が横たわっているということです。

ですから、単機能の組織であってもコミュニケーションの順番まで大切にされていました。

単機能組織であってもこれほど丁寧な対応が必要ですから、組織に複数機能があり、かつ業績プレッシャーがかかると、コミュニケーションの難易度が上がることはもちろんのこと、「信頼獲得の難易度」も飛躍的に上がることは想像できるはずです。

もし、あなたが研究員であればどちらの研究室で働きたいですか?

 

あなたが研究職だとすると、次のどちらの環境で働きたいか考えてみてください。

図の様に左側の会社には、製造などの工場と同じ敷地内に研究所があります。

そして、右側の会社は、工場とは全く別の場所に研究所があります。

どちらが良い、悪いという事はありません。

あなたも察している様に、それぞれ一長一短あるわけです。

メリット デメリット
左側の場合 研究開発された商品がどの様な流れで製造されるのか、現場の声を生で聞く事がしやすい。 違う立場の人の事も分かり、気を遣う様な側面も出るために、研究に没頭しにくい。
右側の場合 違う立場の人・部署がないために研究に没頭しやすい。 製造などの過程に関わる方々と遠い関係にあるために連携がはかりにくい。

 

もう少し身近な例でいうと、

「今日は事務仕事をメインに行って色々な事を片付けよう!」

と決めた日に限って、電話がたくさん鳴るということが多々あります。

結局、落ち着いてデスクに向かえる様になったのが午後4時を超えたころ…。

「今日は敢えて予定を入れずに、事務仕事を片付けようと思ったのに、何もできていないじゃないか!」

と悔しい思いをした人は多いと思います。

研究所も似たようなもので、工場と同じ敷地内にあると「何かと」あるわけで、研究職として仕事をしたいという方は、工場の敷地とは別の場所に研究所がある会社を選ぶ傾向が強いのです。

実際に、そうした報告が挙げられている調査結果も発表されていました。

つまり、いくつかの機能(部署)があると、業務に没頭しにくくなり、不要なストレスが生じやすいのではないかと推察さする事ができるのです。

 

 

いくつか部署がある組織だと高信頼組織が作りにくいもう一つの例

 

例えば、製造職の横で企画職が働いていたとします。

通常、製造職での打ち合わせは朝一番に行われます。

そこで、作業などの段取りの確認があり、その後は製造を行うというものです。

一方、

企画職の打ち合わせはコンテンツ出しから行いますので、ブレーンストーミングに始まり、当然打ち合わせは多くなります。

もちろん、午後に入ってからも打ち合わせがあるというケースも多々あります。

 

打ち合わせ一つをとってみても機能によって、その頻度や時間、内容といったものが機能によって大きく違うわけです。

しかし、この違いをお互いに理解しあい、認め合っている組織は意外と少ないのが現状です。

「企画は一体なにを毎日毎日打ち合わせているんだ?」

「製造は時間が来たら帰ることができていいよな」

よく聞く言葉です。

 

正社員・パート、フレックスタイム対応・フィックスタイム対応等、今後更に様々な相違要素が増えていくことでしょう。

自由度が高まる事はいいことなのですが、その影には「結果主義」的なものの見方も大きくなっていく事を忘れてはいけません。

その様なプレッシャーの中でだからこそ、異なる部署の違いを羨ましがっている場合ではないのです。

一見、無駄な時間に見えるかもしれませんが、お互いの業務の特徴を知り、お互いに活かせる事はないのか?考えてみる事がとても大切です。

 

野球で言うと

「いいよなぁ、キャッチャーは時々しゃがむ事ができて休憩しながらプレイできるしなぁ…」

こんな事を大勢が思っているチームは絶対に強いチームにならないということです。

 

部門の連携、立場の違いのある組織は一体何をしたらいいのか?

 

では、いくつかの部署が混在する組織はダメかと言うと決してそうではありません。

「これまで見てきた様な問題が生じやすい」と言う事を知った上で、解決して行こうと努めればいいのです。

具体的な解決策を紹介します。

 

全員で追いかける理念やビジョンの共有

こう言えば、当たり前の事の様に聞こえますが、「従業員に温度差があるんだよなぁ…」という言葉に象徴される様に、理念やビジョンが共有できていないケースが多々あります。

反対にディズニーランドは、理念やビジョンの共有がとても上手なので、どのアルバイトの方に話しかけても、素晴らしい対応をしてくれます。

誤解してはいけないのは、ディズニーランドは、会話のマニュアルを徹底的に指導しているのではありません。

マニュアルっぽい雰囲気が出ない様に、自分らしい(キャラクターらしい)言葉で対応が臨機応変にできる様に理念の共有がされているのです。

まずは、理念の共有がうまいディズニーの働き方に関する本を読んでみてください。

 

互いの個人特性や業務理解を深めるためのコミュニケーション機会の設定や会議体運営・研修の実施

海外のラグビーチームは、練習の一部にサッカーを楽しむ時間を取り入れているチームがあります。

ラグビーの試合に勝つ!と言う目的だけを見ると、ラグビーチームがサッカーを楽しむなんて全くの無駄に見えるかもしれませんが、そうではありません。

サッカーを楽しむことで、ラグビーをしている時とは違った側面もお互いに見ようという考え方で、端的に言うと「チームワークを高めるため」です。

 

ところが、これが会社の業務となると、こうした楽しむ様な場や直接売り上げに関係のないことは無駄だと考えられがちです。

「俺たちは営業職でもないからコミュニケーションの研修なんて必要ない!」

「そもそも研修の時間が無駄なんだよ!研修の時間を他の事に充てた方が得策だろ!」

こんな声もよくあるのが現状です。

 

でも、会社をスポーツチームとして見れば、売り上げに関係のない業務も重要に見えてくるはずです。

 

計画の実行の程度についての状況確認やフィードバックの実施

理念や未来のビジョンが共有され、他の部署についても理解が深まると必ず行動に変化が出てきます

ところが、こちらの記事でも紹介している通り、行動が正しいのか、間違っているのか?は、仕事の場合、行動して見ないと分かりません。

たったそれだけ?活気ある会社・組織にするために必要な事とは?
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と言う事は、変化した行動がどうだったのか必ず振り返ることが必要になります。

もちろん、ベストなのは客観的な視点で行動を振り返ることですが、どうしても自分達で振り返ると客観性を欠いてしまう事があります。

特に結果が思わしくなかった場合には、客観性が失われがちです。

学生の頃、テストの結果が悪かった時に「これは質の悪い問題だった」と思ったことがある人も多いと思います。

今となっては、笑い話の様ですが、当時は本気でそんな事を思ったこともあります。

ところが、こうした解釈で行動した評価を済ませてしまうのは、素晴らしい資産を捨ててしまう様なものです。

せっかく、行動をしたのですから、客観性を保ちながら振り返りができる様に、第三者を活用するのも良い手段となります。

 

町野 文孝

名古屋・岐阜・三重の地域の中小企業の組織作り、社員教育などをトータルにサポートするコンサルタント。30年以上、この活動を行っているが、倒産した会社は0。反対に関わった会社のほぼ100%が業績向上。そのためには、ノウハウも大事であるがそれ以上に、経営者・従業員の心意気が大切だと考える。支援している中小企業の従業員の方との交流も大切にしている。

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水戸黄門経営のすすめ
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