会社経営を上手くし、事業を軌道に載せるには、
これは絶対に必要なことと言われます。
もちろん、この考え方は会社経営に関わらず、対価としてのお金を得るには絶対に必要な考え方になります。
例えば、あなたがラーメン店を営んでいるとします。
当然、ラーメンを提供する訳ですが、どんな価値を提供するのか?というところも考えてみる必要があるのです。
- 寒い夜に熱いラーメンを食べると身体が温まる。
- 空腹が思い切り満たされる。
- 美味しいものを食べて、幸せな気分になれる。
提供するラーメンによっては、まだまだ違った価値があるかもしれません。
ところが、こうした話をすると、
もっとお客様が増える様な具体的な戦略を考えた方がいいのではないか?
と言われる場合もあります。
そこで、今日は、なぜ、「お客様にどんな価値を提供できるのか明確にすること」が重要なのか、考えてみたいと思います。
人は本来、誰かに喜んでもらうことを望む生き物!
会社を経営していると、固定費も必要になります。
とにかく、利益を上げなければ、会社の存続にも関わってきます。
ですから、経営者はつい、利益を上げるために何ができるか?に焦点をあてて考える様になります。
こんな事を言いながら、私も「利益を上げなければいけない」という、もはや脅迫の様な考え方に何度も襲われています。
こう考えると、経営者は、
- 自分を変えなければならない
- 会社を変えなければならない
という感覚になってしまいます。
別の場面で言うならば、
という感覚でいるようなものです。
こうした感覚でいると、無難な夕飯になるかもしれませんが、家族が大喜びする様な夕飯になりそうな気配は感じられません。
では、どう考えると、家族が大喜びする様な夕飯が作れるか…?
この方が美味しそうな夕飯になりそうな予感がするのではないでしょうか。
仕事には必ずやらなければならないMUSTがつきもの!
以下の記事に詳しく書きましたが、仕事には必ず「やらなければならないMUST」が発生します。

夕飯の支度も、誰かがやらなくてはいけないMUSTです。
これを、やりたい!という気持ちで取り組むのか、仕方なくこなす作業として取り組むのかで、夕飯を食べる家族の表情は大きく変わる事も見えてきたはずです。
夕飯を食べる家族=あなたのお客様
として見た時に、あなたはどう感じるでしょうか。
同じやらなくてはならないMUSTがあるのであれば、和風ロールキャベツに挑戦したいと思ったお母さんの気持ちに近い方がいいと私は思います。
どうすれば、「やらなくてはいけないMUST」が「やりたい」に変わるのか?
人は、誰かに喜んでもらうことが大好きな生き物であるという事を思い出して欲しいのです。
これは、本能的な話であります。
例えば、お酒の席でもこの本能的な部分を見ることができます。
美味しいお酒がここにあったとしましょう。
このお酒をあなたは、一人で呑むでしょうか。
きっと、「このお酒とっても美味しいし、滅多に手に入らないものだから呑んでみたらどう?」と同席に人に勧めるのではないでしょうか。
自分の利益(損得)だけを重視するならば、絶対に一人で呑んだ方が、美味しいお酒をたくさん呑むことができるのに…。
つまり、人は、損得の感情も大切にしますが、相手を喜ばす事で自分自身が大きな満足を得ることができる…そんな素晴らしい本能を持っているのです。
こうして見ると、近年クラウドファンディングでたくさんの資金が集まるのも納得が行くはずです。
クラウドファンディングにお金を支払う人は、何かが欲しいのではなくて、それによって企画者や関わる人の役に立ったという満足感を得たいのです。
ということは、あなたの仕事で「やらなければいけないMUST」について考える時に、
に思いを馳せると、「やらなくてはならないMUST」が「やりたい」に変容するのです。
「やりたい」が見えてくると、それは、とんでもない大きなエネルギーに変わっていきます。
- 自分なら変えることができる!
- 自分を変えることもできる!
これまで、「たいわパック」の中で様々な会社の経営者をはじめ、従業員の方々と話をしてきましたが、この気持ちが見えてきた会社は大きく前進する事ができました。
商品やサービスから直接思いつかない価値の具体例とは?
商品やサービスを提供する以上、お客様にどの様な価値を提供できるのか?
これを明確にすることはとても大切ですが、間違ってはいけないのは、
提供する価値は、商品やサービスによって決まるのではなく
あなた自身の考え方によって決まる!
という事です。
分かりやすい例を一つ挙げてみましょう。
ルイ・ヴィトンの鞄はとても高級です。
用途は、外出の際に必要なものを入れて持ち運ぶという程度のものでしょう。
機能性だけの部分を取り出して見れば、1000円そこそこの鞄と大きな違いはありません。
ところが、ルイ・ヴィトンが提供したいものは、便利に物が持ち運べるモノではありません。
旅行鞄専門店として創業したルイ・ヴィトンですが、モノが良いというのはもちろんの事、さらに「おもてなしの心」を何よりも大切にされています。
こう言うと、当たり前のことの様に聞こえますが、ルイ・ヴィトンのバッグを持った満足感、店舗に立ち寄った際の贅沢な感覚さえも提供するものに含まれています。
しかも「おもてなし」を徹底する事を大切にしていますから、店舗の雰囲気を作り上げるのに、かなりのお金をかけている事も分かります。
もちろん、既存客の事も考えて、商品の値引きやセール的な販売は一切ありません。
もちろん、社員割引などの制度もありません。
もし、セールや社員割引などを行うと、贅沢な感覚が損なわれてしまいます。
つまり、これまで提供していた商品・サービスを軸にしても、考え方次第では全く予想外の価値を提供する事だって可能なのです。
これは特別な高級ブランドだから考え抜かれていると言うものではなさそうです。
関西に所用で出かけた際に、スーパーの前でたこ焼きを焼いている小さなお店がありました。
こういったお店は、それなりに客足はあるものの、大繁盛することもない…そんな印象をもっていましたが、そのお店にはたくさんの人で賑わっていたのです。
もちろん、私は初見なので、偶然かもしれませんが、おじさんがお客様に掛けている言葉を聞いて、偶然ではないだろうなぁと思ったのです。
今のお母さんや子どもは、何をしていても「スマホ」ばかり見てるやろ!
おっちゃんがたこ焼きを焼いているのはなぁ、お母さんと子どもが話すきっかけをを作るためや!
だから、おっちゃんのたこ焼きはめちゃめちゃ熱いで。
食べながら「熱い!熱い!」って親子で騒いだらええ。
でも、スマホ見ながらおっちゃんのたこ焼きを食べたら承知せえへんからな!
関西のノリで、こう言われているのかもしれませんが、私には衝撃的な言葉でした。
きっとおじさんは、「熱い、熱い」と言いながら、嬉しそうにたこ焼きを食べる親子が心から見たかったのでしょう。
それを実現させるツールが、おじさんにしたら「たこ焼き」だったに過ぎないと思うのです。
こんな気持ちで焼かれたたこ焼きをあなたは食べたい!と思ったのではないでしょうか。
この場合、
と言うことになりますが、これはおじさんが心からそう思っているからこそ、こんな言葉が自然に出てきて、多少乱れた言葉であっても多くの人に響いたのだと思います。
大切なのは、この形を真似るのではなく、考え方を真似ることです。
次にもう少し詳しく、価値を見出す方法について紹介します。
あなたは、なぜ、今の仕事に関わっているのですか?
あなたは、なぜ、今の仕事に関わっているのか?考えてみて欲しいのです。
もちろん、先代の後を継いだから…とか、生活のために…という理由が真っ先に浮かぶ人もたくさんいるかもしれません。
例えば、生活のために…と言うのであれば、他の仕事も山ほどあるはずです。
けれど、今、他の仕事をせずに「なぜ、今の仕事に関わっているのか?」を考えて欲しいのです。
詳しくは、「たいわパック」などのサービスでお伝えしますが、その仕事を通して、あなたが実現させたい願いが必ずあるはずです。
これが鮮明になった時に、「やらなければならないMUST」が「やりたい」に変わるのです。
ここでは、敢えて厳しい表現をしますが、
- お客様に喜んでもらいたい!
- みんなが平和で豊かになって欲しい!
だから、今の仕事をしているという表現では、まだまだ不十分です。
もっともっと、仕事に関わっている理由を一度追求してみてください。
必ず、何度か繰り返すうちに一つのものから多様な価値を見つけることができる様になります。
まとめに変えて
ここでは、偉そうに言いやがって…と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
自分自身の価値を見つめ直すということをしたからと言って、すぐに利益が得られるものではありません。
ところが、私の場合は、この感覚が理解できた時に、視界が広がる感覚が得られたことは事実です。
そして、この感覚と言うのは、特別な能力でもなく、誰もが持ち合わせているものです。
小学生2年生の女の子がこんな事を言っていました。
私、お花屋さんになるって決めているの。
前にお母さんにお花をあげたら、すごい喜んでくれたから。
きっと、大好きなお母さんにとにかく喜んで欲しいのでしょう。
そのために、自分ができそうな事で、したい!と思うことは「お花屋さん」と考えたに違いありません。
この言葉に、自分自身の価値を見つめるヒントの全てが詰まっている様に思います。