中小企業の組織開発、人材育成に関わっていると、もちろん「結果を出すにはどうすればいいのか?」という話になりがちです。
ところが、
- 結果にだけこだわる
- 結果にだけこだわわらない
この両者は大きく異なるということを私たちは肝に命じておきたいと思います。
例えば、私と同様に会社経営に関わるアドバイスなどを行なっている知人がいますが、彼が提案をしたことを試した会社が、大きく利益をあげることに失敗したということがありました。
通常なら、ここで契約は打ち切りになるはずですが、その会社は彼に…
と笑いながら言ったのです。
営業マンにとって理想的な顧客だと思いますが、どうすればこの様なことが起きるのか詳しく解説していきましょう。
少しでも参考になる点があれば嬉しいです。
そもそもいい顧客はいないかなぁ…?という視点ではない!
営業を行なっているとついつい、「いい顧客」という言葉が脳裏に浮かんでしまうことがあります。
ところが、最初からあなたにとって都合のよい「いい顧客」なんて存在しません。
基本的な考え方は「顧客を育てる」ということ
若い世代の方々には、ネットビジネスで使われる基本的な形式「DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)」と同じと表現した方が分かりやすいかもしれません。
ここでは、極めて簡単にその流れを解説します。
- 人と出会う(ネットの場合はメルマガなどに登録してもらう)
- 出会った人を教育する(メルマガで商品・サービスの必要性を教育する)
- 教育した人に販売する
インターネットを用いても直接対面であっても、この型は古くから営業の一つの型として活用されてきました。
再春館製薬所(ドムホルンリンクル)などもまさにこの型を利用していて、無料で商品を提供することでより多くの人に出会い、その後、自社に関する教育がされて、商品が販売されています。
「教育する」と言うと、なんだか偉そうだと感じる人も多いようですが、私は「関係を作る」という風に理解しています。
ただ、最近は時代の流れが早いこともあって、
ように感じるのです。
ただ、なんらかの方法を用いて、手っ取り早く関係を構築した場合、冒頭で紹介した私の知人の様なことは決して起きないだろうということは、十分想像できるはずです。
誰かの考え方を変えるには膨大な時間とエネルギーが必要
私もそれなりの歳を重ねていますが、中小企業の人材育成に関わっていると、若い世代の方々から次の様なことを言われることがあります。
あなたもこの様なことを感じたことは何度かあるはずです。
つまり、
ということです。
書籍や動画などをタイトルを見ると、「たった1ヶ月で…」などの様なものが目立ち、ついつい簡単に教育ができる様に錯覚しがちですが、そんなことはないということです。
だれもが早く結果が出ることを求めるために、「たった1ヶ月で…」と言う様な表現がされることが多いだけです。
では、先に紹介した計画に失敗した私の知人は、どんなことをしていたのか紹介します。
「よい顧客」になるまで、6年もの時間を費やした
一言で言えば、
ということです。
具体的には、
- 何かと理由をつけて先方の社長に会うようにした(足で稼ぐ)。
- 契約が成立する・しないに関わらず、ひたすら自分のアイディアを伝え続けた。
- 相手のためになりそうなことを学び、学んでいることを少し見せる様にした。
これらの事に膨大な時間を惜しみなく費やしたのです。
もちろん、契約が成立した後も、このペースを崩すことはありませんでしたから、相手からすれば、自社の幹部以上に会社のことを考えてくれている人というポジションを獲得したわけです。
かなり泥臭い話ですが、「信頼を得る営業マン」の基本的なことを真面目に取り組まれた結果、得られたものではないでしょうか。
ここで考えてみたいのは、
ということです。
きっと、失敗したのであれば、その時点で契約は打ち切りになっていたでしょう。
そう考えると、少々不器用であっても、まずは相手のためにとことんエネルギーを費やす勇気をもつことと、結果だけではなく、その道のりを大切にできる社風を作っていくことは、とくにこれからの時代、必要不可欠になってくると思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
最初の「いい顧客」を作るのに時間をかけても離れる人が少ないのであれば、ビジネスは成長していくということをこの時代だからこそ忘れてはいけない気がします。